今回は、化学療法の1種であるAC療法の副作用についてです。乳がん闘病中の母の症状をふまえ、以下の内容についてお話しします。
- AC療法とはどんなものか?
- AC療法の副作用の実録
- AC療法の副作用の対策
- 緩和ケアの紹介
この記事で書いている、AC療法のスケジュールは母の場合です。 また、抗がん剤投与後の副作用は母に出たもの、その対策は母が実際に行ったものに絞っています。
AC療法とは?
AC療法は、乳がんの代表的な抗がん剤治療の一つです。AC療法はアドリアマイシン(Adriamycin)とシクロフォスファミド(Cyclophosphamide)という2種類の異なる作用の抗がん剤を組み合わせた治療であり、その頭文字をとってAC療法と呼んでいます。
AC療法の効果
・アドリアマイシン(別名:ドキソルビシン)
がん細胞のDNAの間に入り込み、がん細胞の成長を止めたり、死滅させたりします。
・シクロフォスファミド(別名:エンドキサン)
がん細胞のDNAにくっつき、同じくがん細胞の成長を止めたり、死滅させたりします。
AC療法のスケジュール
治療薬・投与量
点滴
- 予防薬(吐き気止め)
アロキシ注バッグ75mg + デキサメタゾン注射液 - 治療薬
アドリアマイシン:60mg/m2(体表面積)
シクロフォスファミド:600mg/m2(体表面積)
主な内服薬
デカドロン錠:1日8mg、朝・昼食後に服用
《頓服薬》
・ノバミン錠5mg:1回1錠
・ナウゼリン坐剤60
共に吐き気止め、ノバミンが効かなかったらナウゼリンを使用する
スケジュール
3週間ごと、4〜6回点滴をする
AC療法の副作用
一般的な抗がん剤による副作用
食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、発熱、皮疹、骨髄抑制、脱毛、腎機能障害、肝機能障害、間質性肺炎 など
AC療法に特徴的な副作用
悪心・嘔吐、骨髄抑制、口内炎、便秘症、脱毛、心毒性、血管外漏出、味覚異常
抗がん剤投与後の記録・副作用の対策
AC療法中の記録・副作用
青字が副作用
1回目(2019/1/8)
1/8 点滴終了後、昼食をいつも通りに食べる
17時頃、下しそうなお腹の痛さを感じ、2回吐く
倦怠感、筋肉痛のような背中の痛み
お腹がチャポンチャポンして、消化できていないような気持ち悪さ
1/9 4時頃、倦怠感がマシになってくる
1日中、吐き気と倦怠感で寝たきり
胃もたれ、体のだるさが続く
1/10 胃もたれ、体のだるさが続く
飲めない食べられないの状態が続いたので、電話して病院に行く
→吐き気止めと水分の点滴を打ってもらうが、それに耐えるのもしんどかった
8〜10日は、ずっと寝ている状態だった
1/11 少しの胃もたれがあるが、ゆで卵とヨーグルトが食べられるようになる
夜、ナウゼリンをいれる
1/12 ゆで卵を食べ、プロテインを飲む
胃もたれが少しマシになるが、食事ごとにノバミンを飲む
フラフラするので、寝て過ごす
1/13 フラフラするが、食べ物が食べられるようになる
普通の生活ができるようになり、頓服薬を止める
1/14 ほんの少しフラフラが残っている
軽いめまい
1/16 リンパのしこりが小さくなってきた気がする
1/20 左胸の皮膚に出てきているガンがちくっとする
髪の毛より先に隠毛が抜け始める
1/22 髪の毛が抜け始める
この日から一気に髪の毛が抜け始める
1/27 左胸がズキズキし始める
2回目(2019/1/29)
1/29 点滴終了後、昼食をいつも通りに食べる
16時頃、ナウゼリンをいれる
19時頃、吐く
20時頃、お茶漬けを食べて、ノバミンを飲む
1回目の抗がん剤より気分がマシ
1/30 吐き気が少しマシになり、朝食にパンを食べる
9時35分、ナウゼリンをいれる
昼食に、ゆで卵2つとヨーグルトを食べ、ノバミンを飲む
1/31 朝食:パンを食べ、ナウゼリンをいれる
昼食:お茶漬けとゆで卵を食べ、ノバミンを飲む
夕食:パンとゆで卵を食べ、ノバミンを飲む
フラフラする
29〜31はずっとだるくて眠かった
3回目(2019/2/19)
2/19 点滴終了後、帰宅してすぐナウゼリンをいれる
吐くこともない
夕食も普通に食べる
夜、少ししんどくなるが、今までに比べればだいぶ楽
2/20 朝食:パンとコーヒー
しんどくないが一応ナウゼリンをいれる
3回目で生理が止まる
4回目(2019/3/9)
3/9 点滴終了後、昼食をいつも通りに食べる
16時頃、ナウゼリンをいれる
胃もたれ、だるさがあり、夕食を食べず
3/10 体調がマシになる
朝食:パン
昼食:お茶漬け
夕食:スパゲッティ半分
5〜6回目
同じような症状のため、母が記録せず
1〜6回目まで共通の症状
・点滴をした日は、アドリアマイシンの影響で赤い尿が出る
・3週間ごとの投与だったが、投与してから2週間たつ頃には薄かった出来物が濃くなったり、胸が張ったりしてきた
副作用の対策
吐き気・嘔吐
・2回目の抗がん剤治療から、吐き気を催す前にナウゼリンをいれる
・食べやすくて、できれば栄養があるものを食べる
塩分をとる
脱毛
1/22に髪の毛が抜け始めたため、1/25にバリカンで刈った
長い髪の毛がごっそり抜けるより、自分で刈る方が気持ちが楽
緩和ケア
抗がん剤の副作用や、がんそのものに伴う体や心の痛みを和らげる方法の1つとして、「緩和ケア」を利用する方法があります。自分やご家族だけで抱えきれない痛みや悩み、苦しみはそのままにせず、頼れる人に頼ってください。
体の辛さはもちろんのこと、「心の負担もがんの症状の1つ」です。
ストレスは乳がんの大敵なので、出来るだけ溜め込まないようにしてください!
まとめ
母の症状を元に、AC療法についての説明から、AC療法の副作用と対策までお話ししました。
- AC療法は、がん細胞の成長を止めたり、死滅させたりする抗がん剤
- AC療法の副作用には、吐き気・嘔吐・脱毛・生理が止まる、などがある
- 頓服薬や緩和ケアをうまく活用することで副作用対策をする
今回はわかりやすいように事実のみを書きましたが、AC療法中の母の感情は「乳がんの抗がん剤治療の体験談|副作用がきついAC療法」で書いています。
記事への感想、もっと知りたいこと、相談したい事などありましたら、ぜひお気軽にコメントをお願いします。精一杯答えさせていただきます!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考:https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/pharmacy/pdf/AC.pdf
https://ucc.or.jp/breastcenter/blog/
奈良県総合医療センター資料
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