こんにちは、コピーライターの鳳花です。
今回は、化学療法の1種であるドセタキセル療法の副作用についてです。乳がん闘病中の母の症状をふまえ、以下の内容についてお話しします。
- ドセタキセル療法とはどんなものか?
- ドセタキセル療法の副作用の実録
- ドセタキセル療法の副作用の対策
- 緩和ケアの紹介
この記事で書いている、ドセタキセル療法のスケジュールは母の場合です。 また、抗がん剤投与後の副作用は母に出たもの、 その対策は母が実際に行ったものに絞っています。
ドセタキセル療法とは?
ドセタキセル療法は、乳がんの代表的な抗がん剤治療の一つです。
ヨーロッパイチイの針葉から取り出した成分から合成しています。
ドセタキセル療法の効果
ドセタキセルには、細胞の分裂に必要な「微小管」と呼ばれるタンパク質が作られる段階を途中で止める働きがあります。その結果、がん細胞が増えることを阻止し、やがて死滅させます。
ドセタキセル療法のスケジュール
治療薬・投与量
点滴
- 予防薬(吐き気止め)
グラニセトロンバッグ3mg 100mL + デキサメタゾン注射薬 - 治療薬
ドセタキセル:75mg
(溶媒としてアルコールが含まれている)
主な内服薬
《頓服薬》
- ノバミン錠5mg:1回1錠、吐き気止め
- 酸化マグネシウム錠330mg:1回2錠、排便を促す(使わなかった)
- ロキソニン錠60mg:1回1錠、鎮痛剤
スケジュール
3週間ごと、5回投与
治療効果があり、副作用が制御可能な限り継続。治療効果が期待できない場合や、副作用が非常に強い場合は中止を検討する
ドセタキセル療法の副作用
一般的な抗がん剤の副作用
食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、発熱、皮疹、骨髄抑制、脱毛、腎機能障害、肝機能障害、間質性肺炎 など
ドセタキセル療法に特徴的な副作用
皮膚・爪障害、味覚障害、筋肉痛、関節痛、むくみ など
抗がん剤投与後の記録・対策
ドセタキセル療法中の記録・副作用
青字が副作用
1回目(2019/5/14)
5/14
点滴終了後、少し吐き気がする→ノバミンを1回飲むとマシになる
5/15
症状特に無し
5/16
ジーラスタ注射
5/17
生理痛をひどくした感じの腰痛
5/18
かかとに痺れがある
5/19
夕方くらいから、体調が少しマシになる
舌が真っ白になり、味覚がおかしくなる
5/20
5時頃、腰の内側(内部)がズン!ズン!と痛くなり、眠れなくなって起きる
ロキソニンを飲むと、昼にはマシになる
夜になるとだんだんだるくなり、ロキソニンを飲む
炭酸や歯磨き粉が舌に染みる
リンパのしこりが小さくなり、皮膚に出ているがんが引いてくる
5/21
舌がキレイになる
5/24
体がだるくて話すのも疲れる
2回目(2019/6/5)
6/5
点滴終了後しばらくすると、気分が悪くてだるくなる
→ノバミンを1回飲むとマシになる
6/6
症状無し
6/7
症状無し
6/8
舌が白くなってきて、味覚もおかしくなる
膝が重だるくなってくる→ロキソニンを飲む
6/10
夜明け前から下痢
6/11
下痢
8〜11日まで、貧血が続く
6/12
味がしない
6/14
舌がマシになってきて、味が出てくる
喉が詰まるような感じがする
3回目(2019/6/25)
6/25
点滴が終わってすぐノバミン飲む
6/26
右足のかかとの皮がめくれる
6/27
夜から、膝下がだるくなる
6/28
味がしない
吐き気がして、ノバミンを飲む
ロキソニンを飲む
6/29〜7/4
ずっと味がしない
腰から下がだるい
下痢
3回目からむくみがひどくなり、毎日体重が増えるようになる
掃除機をかける、自宅から駐車場まで少し歩くという動作だけで死にそうになる
4回目(2019/7/16)
副作用がきつすぎたため、ドセタキセルの量を80%に減らす
しかし副作用のきつさは変わらなかった
5回目も80%、同じような症状が続いたため記録せず
副作用の対策
吐き気・嘔吐
- 吐き気を催す前に頓服薬を飲む
- 食べたいもの、食べられるものを少量ずつ食べる
貧血
- 激しい運動は控える
- 急に動くとふらついて倒れてしまうので、ゆっくり動く
下痢
- 脱水予防のため、水分補給を心がける
- 消化に良いものを食べる
痺れ
点滴前:スリッパの中に保冷剤を入れ、保冷剤を握る
着圧ソックスを2枚履く
→血行を悪くして抗がん剤が指先までいかないようにするため
平常時:マッサージをしたり、痺れている部分を温める
緩和ケア
抗がん剤の副作用や、がんそのものに伴う体や心の痛みを和らげる方法の1つとして、「緩和ケア」があります。
がんになっただけでもショックなのに、闘病はもっと辛いですよね。私の母も実際、辛くて看護師さんの前で号泣したことがあります。
ご自分やご家族だけで抱えきれない痛みや悩み、苦しみは、ぜひ緩和ケアなどを利用して、思う存分吐き出してください。
専門家の方が、一緒に考えてくださいます。
まとめ
母の症状を元に、ドセタキセル療法の説明から、ドセタキセル療法の副作用とその対策までお話ししました。
- ドセタキセル療法は、がん細胞の分裂を止めることで死滅させる抗がん剤
- 副作用には、吐き気・貧血・下痢・痺れ・むくみ・味覚障害 などがある
- 頓服薬や緩和ケアをうまく活用することで副作用対策をする
- 日頃の生活から気を付けることで、副作用による転倒などの二次被害を防ぐ
かなり詳しく書きましたので、参考になれば幸いです!
記事への感想、もっと知りたいこと、相談したい事などありましたら、ぜひお気軽にコメントをお願いします!些細なことでも構いません。精一杯答えさせていただきます!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考:https://ucc.or.jp/breastcenter/blog/
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/pharmacy/pamph/2_docetaxel.pdf
奈良県総合医療センター資料
コメント
こんにちは。
妻がこれから同じ治療を始めるにあたり参考にさせていただきます。
わかりやすくまとめて頂き本当に感謝します。
ysp様
はじめまして、ご覧いただきありがとうございますm(__)m
本当はこのブログを誰も読まなくていいのが一番ですが、少しでもお役に立てたのなら嬉しいです!
奥様にとって、ysp様の存在はとても大きな支えになると思います。
奥様のご病気が完治することを、心の底から願っています。
また、ysp様もどうかご自愛ください。
コメントありがとうございます。
来週から抗がん剤治療が始まり、副反応をある程度把握したく調べていたらこちらに辿り着きました。
私にまでお気遣いありがとうございます。
正直不安が強く、先が見えない闇の中にいる生活が続いていて辛い。
こちらに今気持ちを吐き出させて頂き、新たに前を向いて妻を支えます。
ysp様
コメントありがとうございます。
いろんなことを調べて準備しようとするほど、同時に不安も大きくなってしまいますよね。
これから書くことは、一患者家族の意見として読んでいただけますと幸いです。
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不安で心が押し潰されそうな時は、この先もあると思います。
それでも、「大丈夫」と笑って過ごしてほしいです。
とにかく毎日、暗くならず、できるだけ笑って過ごしてほしいです。
もちろん母にはずっと健康で笑っていてほしかったですが、がんになったからこそ、私は母と本当の意味で向き合えたと思います。
もし母が長生きしていたら、ここまで母の愛や優しさに気づけなかったでしょう。
過ごせた時間は他の親子より短かったものの、楽しかったことや幸せを感じた瞬間は数え切れません。
母自身も、「こんなに大好きとかありがとうを言ってもらえるなら、がんになってよかったのかも」と言うことがありました。
つらいことや苦しいことにどうしても目がいってしまいますが、その中にある幸せを大切にしていただけたらと思います。
奥様が不安で泣き叫ぶことがあっても、理不尽な怒りをぶつけられても、しっかりと抱きしめてあげてください。
一緒にいっぱい泣いて大丈夫です。私も山ほど泣きました笑
いつかお二人が「がんになってよかった」なんて笑って言えるような日が来ることを祈っております。
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きつい時は、またいつでもコメントをください。
もちろん、患者家族が頼れる機関を訪れるのもおすすめです。
長くなってしまいました。最後まで読んでいただき、ありがとうございます😊
ありがとう、本当にありがとうございます。
また、立ち寄らせてください。